【オープニング記事】私が『みかた』を作ろうと思った理由
2023年9月、NPO法人ぴあっとが運営する「ぴあっと発達情報サイトみかた」を開設いたしました。
相模原×こどもの発達支援情報サイトとして、これから皆さまにとって必要な情報をお届けできるよう運営してまいります。
サイトのオープニング記事としまして、ぴあっとの五十嵐がなぜ「みかた」を作ろうと思ったのか、体験談とともにお伝えさせていただきます。
不安でいっぱいだった子育て
息子の様子に違和感を感じ
私の息子には重度の知的障害と発達障害があり、現在は特別支援学校に通っています。
息子の様子に違和感を感じたのは2歳になる前くらいだったと記憶しています。
体の発達がゆっくりだったことの他に、目が合わない、名前を呼んでも反応しない、表情が乏しい、水やスイッチなどへの異常なこだわりなどが見られ、私は息子の発達がとても心配になっていました。
そんな時にインターネットで色々検索してみると、マイナスな情報ばかりが目に止まり、不安はどんどん増殖していきました。
また息子が小さい頃は同じようなタイプのお子さんに出会うこともなく、自分の子だけが様子が違う、できることがないなどと悲観的になっていました。
息子が家の中でも同じ行動を繰り返したりと大変だった時期も重なり、私は疲労感と孤独感で毎日のように泣いていました。
子ども連れで外に出ることの難しさ
インターネットでは一般的な情報は得ることができましたが、制度などは各自治体によって違うことも多く、そのまま役立つ情報はなかなか得られませんでした。
そこで情報を得るために各窓口に行きましたが、待つことがほとんどできなかった息子を連れての外での情報収集は難しく、疲れ果てて帰宅するような日々でした。
また上の娘もまだ小さかった頃は、2人を連れての外出がとても大変で、息子が一瞬でいなくなってしまうこともあったため、安全確保が難しく、家にこもることも多くなっていきました。
私の心の変化
息子の療育施設への通所
息子が療育施設に通いだすと、息子と似たタイプのお子さんやそのご家族に出会うことができ、とてもホッとしました。
悩みの種類も似ていて、こんな時はどうしてる?などの話を聞くことができました。
また息子を理解してくれる先生たちに話を聞いてもらったり、息子の良い所を見つけてもらったりすることもできました。
そして息子を預けられたことで、自分の時間を持つことが出来、外にも出られるようになり、地域の情報も入ってきて私自身の心が安定していくのを感じました。
もっと早く同じような子育てをしている人の話や、地域情報を聞けていたら、もう少し子育てを楽しめていたのかもなぁと感じました。
息子の小さくてかわいらしい時期に、もったいないことをしてしまったと後になって後悔しました。
家族の心が安定することの大切さ
私の心が安定してくると、本来の自分の性格に戻っていきました。
今振り返ってみても、自分の人生であんなに不安定で落ち込んだことはなく、だからこそ忘れることのできない感情や体験だったと思っています。
心が安定し余裕が生まれてくると子どもたちへのまなざしも少しずつ変わり、うちの子どもたちにしかない素敵な一面も見えてくるようになり、かけがえのない存在であると感じてくるようになりました。
「ぴあっと発達情報サイトみかた」の誕生
今の自分にできる形とは
あの頃閉じこもっていた自分と同じように、不安だったりしんどい思いをしている人がいるとしたら、自分に何かできることはないのだろうか、次第にそう思うようになっていきました。
あの頃自分を助けてくれたのは、同じような子育てをしているご家族の存在や、支援者の先生方の存在でした。
しかしそういう方との出会いや、そのタイミングは人それぞれで、必要としている時に訪れるとは限りません。
また本当にしんどい時は外に出ること自体が難しいことも多く、そういう人にこそ情報を届けなければと感じました。
また自分自身が現在も子育て中であり、確保できる時間帯や時間自体に制限があるため、その範囲でできる活動ということもありました。
そこでたどり着いたのが、家族の体験談や地域の発達支援の情報を誰もがアクセスできるWebサイトにして発信することでした。
そして“地域とこどもの発達支援”に特化した『ぴあっと発達情報サイトみかた』を作ることになったのです。
どんな情報サイトを目指すのか
「みかた」はどんな情報サイトを目指すのか。それはどこかにいる誰かの情報ではなく、この地域で暮らす、存在を感じられる人からの情報。
また子育てを通してのリアルな気持ちや、子どもたちの姿が想像できるようなサイト。地域で応援してくれる人たちが見えるサイト。
そんな温かみのあるサイトを目指したいと考えています。
そして「みかた」の情報が、それぞれの子どもたちやご家族の選択肢を増やしてくれる一つのツールになってくれたらと願っています。
ぴあっとをはじめた人。
小学3年生の息子、小学6年生の娘を持つ2児の母。息子は重度の知的障害があり、自閉症と診断されています。娘は感覚の過敏さや独特な感性を持っています。
そんな子どもたちとの日々の生活で感じたことや、出来事を発信していきます。