【家庭の工夫】食のマイルールが強い息子~母の試行錯誤~

発達に特性があるお子さんの中には、色々なマイルールやこだわりを持っているお子さんが少なくありません。
そのマイルールの独特さや、細かさがゆえ、ご家庭や園などでも、あれやこれやと試行錯誤したり、色々な工夫をしたりしています。
今回は、食のマイル―ルが強い、年長さん・男の子のお母さまにお話を伺いました。
食のマイルールの数々

息子さんは、食に関して色々なマイルールを持っている、とのことですが、具体的には、どのような感じなのでしょうか?



まずは食べられる物が、ものすごく限られていて、数種類しかないといった感じです。
食べられる物は、その時々で少しずつ変わっていくことはありますが、今の所、食べられるものが広がっているような感じは、ほとんどありません。



それは大変ですね。
そうなると園の給食などは、どうしているのでしょうか?



通園して3年経ちましたが、未だに全く食べてくれません(泣)。
入園した頃は、給食の時間になると大泣きしていました。
家から茶碗を持ち込んだり、先生方の方でも色々と工夫をしてくださったのですが、やはり食べてくれずで。
そんな息子ですが、先生方が息子のペースに合わせて、給食の時間も過ごさせてくださったりしたおかげで、自分で茶碗にふたをして「食べない」ということを意思表示して、給食の時間、泣かずに過ごせるようになりました。



意思表示ができるようになったんですね!それは大きな成長ですよね。
園でも、本人のペースや気持ちを大事にしてくれたんですね。
また食べられる物でも、色々と条件があるとお聞きしましたが・・



そうなんです。
食べられる物でも、「こうでないと食べない」という条件が、色々あるんです。
例えば、ご飯は熱々でないと食べないとか、飲み物は水しか飲んでくれないのですが、コップでは飲まないとか。あとは他の人が食べている所を見るのも、すごく嫌がります。
さらに食べる物と場所が、セットになってしまっているのも大変です。
お菓子とご飯は家でしか食べませんし、ご飯はイスに座って食べるのですが、お菓子は床じゃないと食べないなどです。



食べられる物が限られているのに加えて、その中でもさらに食べられる条件があるということですね。
それは、ものすごく大変ですよね。
また食べられる物が限られていると、栄養面とか心配になりませんか?



栄養面は本当に心配です。
でも食事は、お米くらいしか食べてくれないので、今はお米に「サプリ米」などを混ぜて、ビタミンやカルシウムを摂れるようにしています。
実際に使用なさっている製品を教えていただきました↓
【マイルール①】ベジたべる



息子さんがお米以外で、好きな食べ物はありますか?



カルビーの「ベジたべる」が大好きです。
ただ以前は全て食べていましたが、期間が空いて、久しぶりにまた食べ始めたら、なぜか「赤」のベジたべるしか食べなくなっていました。


※「ベジたべる」は、緑黄色野菜が入ったハート型のスナック菓子で、1袋に赤・黄・緑の3色が入っています。



赤・黄・緑で、味が違うのでしょうか?



大人が食べ比べてみたところ、赤は他より少しだけ味が濃いかも?という感じでした。



赤だけ食べると、黄色と緑が残って、どんどんたまっちゃいますよね?



そうなんです。
残った黄色と緑は、家族で食べたり、気心の知れた友人にあげたりしています。
実は、製造元のお客様相談室に、「赤だけで販売してほしい」とメールをしてみたこともあります(笑)



えっ!?
その後「赤のみのベジたべる」が発売されたりは・・?



されてません(笑)
でもそんな自分の問合せに、とても丁寧な返事がきて、嬉しかったです。
またお正月に、親戚で集まっているときに、義理の兄が、「パプリカの粉で赤にしてみたら?」と提案してくれました。
早速パプリカの粉を買ってきて、黄色のベジたべるに、パプリカの赤い粉をかけて、「赤のベジたべる」として出してみました。





どうでしたか!?



最初の1つは、だまされて食べてくれたんですが、すぐにバレました(笑)



すごいナイスアイデアなのに、残念でしたね・・。
【マイルール②】ポテコ



他に息子さんが好きな食べ物はありますか?



他には、袋が4連になっている「ポテコ」も好きで最近よく食べています。


※「ポテコ」は、じゃがいもでできたリング型のスナック菓子



ポテコは、中身は全部同じなんですが、パッケージ(4つの袋)の色がそれぞれ「黄色・緑・赤・青」と違うんです。
この4色のうち、なぜか青い袋だけは食べないんです。
しかも、袋がつながっている状態で見せないとだめ。



これまた青い袋ばかり残っちゃいますね・・。



そうなんです。
なので、食べ終わった「赤」や「黄色」の袋をとっておいて、「青」の中身を詰め替えて出してみることにしたんです。
最初から空いていたり、4連になっていないと食べなかったので、セロテープで各袋をつないで、4連を再現してみました。
そしたら食べてくれることがわかりました!





ものすごく工夫されていますね!
これでポテコは安泰でしょうか?



それが、よく売っている大袋のポテコは食べず、4連の物でないとだめなので、4連のタイプが売っているお店を家族で探したりしています。
食べられるものが本当に少ないので、見つけると買い占め状態になってしまったり、売り切れていると「次の入荷はいつですか?」とお店に確認したりすることもあります。



調達から大変なんですね・・。



あとは、元々はどのポテコも全部食べていたんですが、最近、割れているものや、他にもなぜか一部のポテコだけ、食べずに残すようになっちゃったんです。



もしや、息子さん本人にしかわからない、微妙な違いがあるんでしょうか?
うちの息子もごくごくわずかな焦げがあると食べないことがあります。



息子と生活していると、私たち家族にもわからないような、細かい違いに気付いたり、記憶力が実はすごく良いのかなと感じたりすることがあります。



私たちにはわからない、微妙な違いを見抜く力が、将来お仕事なんかで発揮されたらすごいですよね!
今回は、息子さんの食のマイル―ルに対する、ご家庭での様々な試行錯誤の様子をお伺いさせていただきました。
貴重なお話をありがとうございました。


ぴあっと発達情報サイトみかた編集部。
みかたはNPO法人ぴあっとが運営している「相模原×こどもの発達支援情報サイト」です。
“こどもの発達のみかたをふやす”をモットーに、企画を考え、取材したり、編集したりしています。