相模原市立小学校の支援体制 ~名称や役割・支援内容など~
フリースクールで8年勤務したのち、公立小学校にて支援教育支援員を5年、介助員を4年勤めていた小木です。
現在は、不登校・発達の訪問型支援セカンドスペーストゥエンデの代表指導員をしております。
さて、小学校には「支援員」「カウンセラー」など、様々な名称の支援者さんがいらっしゃいます。
でも実際、「どんな人がいるの?」「困った時、誰にどう相談したらいいの?」よくわからない…。
そう感じたことはありませんか?
そこで、相模原市立小学校の支援体制について、担任の先生の他に、どんな役割の方がいて、どのような支援をしているのかをまとめてみました。
また、自分がこれまでに関わった、支援教育支援員と介助員については、実際に行っていた支援内容と共に、お伝えしていきます。
支援教育支援員
支援教育支援員は教員免許を持っており、主に学習面の支援をしてくださる方です。
「支援員さん」と呼ばれることが多いです。
相模原市の公立小・中学校全校に1,2名ほど配置されています。
主に通常級に在籍する、支援を必要とする児童の学習支援をしています。
保護者の許可が得られた場合は、別室で個別の学習支援をすることもあります。
また通常級の中で、担任の先生の補助として、児童を見る場合もあります。
支援内容の例
私が支援員をしていた時に実際行っていた、支援内容をご紹介します。
普段のクラスで行っている課題や、図工教材に遅れが出てしまった場合などは、サポートしながら、その課題に一緒に取り組みます。
また支援員が準備した教材を使うこともあります。
支援員の見立てのもと、お子さんの状態に合ったプリントなどを用意します。
お子さんが発達の特性などを持っている場合は、その特性にあった工夫のしてあるプリントや教材を、インターネットや教材室から印刷して用意して、取り組んでもらっていました。
また小学校に入学したばかりの頃は、クラス内で落ち着かないお子さんも多いため、計算やひらがなプリント、点つなぎなどの個人で取り組めるプリントを用意したり、学習後にできる読書やパズルなどを用意することもありました。
それぞれのお子さんにとって、より専門的で、有意義な学びになるように、教材選びは気を付けていました。
当時使用していた教材の一部をご紹介します。
またお子さんと関わる際には、お子さんと対等であることと、1人1人楽しく授業が受けられることを目指していました。
介助員
介助員は主に支援級のお子さんの、日常生活の支援、身辺自立の補助など、学校生活の全体的な支援にあたっている方です。
「介助員さん」と呼ばれています。
支援内容の例
介助員はお子さんの生活全般を支援しており、お子さんの状態に合った支援や声掛けをしています。
クラス内では、授業中の支援の他にも、トイレや食事の支援、また車イスのお子さんの介助などを行うこともあります。
お子さんが興奮してしまった時などは、クールダウンできる所に付き添ったりしていました。
また支援級のお子さんが、交流級に行く際に同行したり、交流級での授業では主に学習面のサポートをしたりしていました。
さらに運動会などの行事に、付き添ってサポートしたり、遠足や校外学習に付き添うこともありました。
基本的にサポートする幅は広いのですが、各小学校の方針や担任の先生などにより、介助員の支援内容は少しずつ違っているようです。
特別支援教育コーディネーター
特別支援教育コーディネーターは、小学校、家庭、専門機関をつなぐ、校内の特別支援教育のまとめ役のような役割をしている方です。
支援級の担任や児童指導専任の先生、また養護教諭などが兼務で担っていることもあり、小学校によって様々な役職の方が担っています。
特別支援教育コーディネーターは通常級、支援級関係なく、学校でサポートが必要なお子さんがいた場合には、授業時間内に支援に入ることもあります。
また担任、支援員、養護教愉などと連携を取り、支援会議をしており、個別サポートの必要性や通級につなげることなどの話し合いもしています。
また支援教育支援員の相談役としても機能しています。
児童支援専任教諭
児童支援専任教諭は、いじめや不登校、発達障害などの、支援が必要なお子さんのサポートをする先生です。
市内の全校に配置されています。原則として学級担任を持たず、児童指導や支援にあたっています。
青少年教育カウンセラー (スクールカウンセラー)
青少年教育カウンセラーは、相模原市の公立小・中学校全校に派遣されています。
週に1~2回ほどの頻度で、青少年相談センターの公認心理師・臨床心理士さんなどの心理職の方が、学校にきて担っています。
「カウンセラーさん」「スクールカウンセラーさん」と呼ばれています。
相談室で、お子さんやご家庭の学校における、悩みや心配事などの相談に乗ったり、カウンセリングを行っています。
お子さんが休み時間に相談に行ったり、ご家族が事前予約をして、学校に相談に行ったりしています。
また相談が入っていない時間には、学校の様子を巡回してみたりすることもあるようです。
スクールソーシャルワーカー(SSW)
スクールソーシャルワーカー(SSW)は、学校と家庭の間に入って調整をしたり、地域の支援機関等と連携を取りながら支援をしてくださる方です。
各小学校から、相模原市の青少年相談センターに要請があった際に支援に入ります。
スクールソーシャルワーカーは、お子さんを取り巻く環境に注目して支援を行います。
相模原市には2023年度は、13名のスクールソーシャルワーカーがいます。
養護教諭
養護教諭は、いわゆる「保健室の先生」です。
子どもたちがケガをした時や、体調不良時の応急処置などをするのが主な仕事ですが、支援級、不登校のお子さんの相談や対応をしていることもあります。
また特別支援教育コーディネーターを兼任していたり、支援会議に入ることもあるようです。
学校支援ボランティア
学校支援ボランティアは、各小学校ごとで必要に応じて募集しています。
学校によっては、支援が必要なお子さんのサポートに入ってもらうこともあるようです。
下記ページより、学校支援ボランティアを募集しているかを確認できますので、ご興味のある方はのぞいてみてください。
また相模原市では、発達サポート講座を受講した方が、学校サポーターとして、ボランティアで、支援が必要なお子さんのサポートに入る取組みも始まってきています。
2023年度は、相模原市立小学校の7校に、学校サポーターさんが入ってくださっています。
まとめ
私自身、支援教育の現場に長く携わり、どんなお子さんも確実に成長するということを学びました。
そしてお子さんのより良い成長のためには、1人1人にあった環境や適切な支援が必要だと感じています。
相模原市立小学校では、これだけの役割の方が、支援を必要とするお子さんやご家族を支えています。
お子さんに直接関わっている、身近な役割の方から、家族や地域との連携を中心に支援してくださる役割の方まで様々です。
小学校でお困り事があった際は、今回の記事を参考にしていただき、それぞれのお子さんやご家庭にあった必要な支援が受けられたら幸いです。
今回の記事は、相模原市立小学校の支援体制についての情報になります。県立の特別支援学校や私立小学校の支援体制は、これにはあてはまりませんので、ご注意ください。
大学生と高校生の息子を持つ2児の母です。
中学校、高等学校国語の教員免許を持っています。
現在は相模原市内で、訪問型の不登校・発達の支援団体セカンドスペーストゥエンデの代表指導員をしています。
趣味は大学時代からのバードウオッチングと読書、発達障害のある子どもたちの関わりについて学ぶことです。