【体験談】かたつむり
「かたつむり」という童謡がある。
♪ でんでんむしむし かたつむり
おまえの あたまは どこにある
つのだせ やりだせ あたまだせ
あるとき、車で移動中に、息子が唐突にこの歌を歌い始めた。
♪ でーんでんむーしむし かーたつむりー
学校で習ったばかりなのかもしれない。
意外と上手に歌っている。注目すべきはこの後である。
聞き慣れた歌詞が続くものと思っていたが、ごく自然に、聞いたことのない歌詞が繰り出された。
♪ アーフリカマーイマイは大きいなー
「アフリカマイマイ」とは、殻が20㎝ほどにもなる巨大なかたつむりらしい。
寄生虫がいて危険なので、触ってはいけないんだ、と息子に教えてもらった。
ちなみに、彼は最近「危険生物」「古生物」などの生き物が、大のお気に入りである。
この短い歌を聞いて、様々な思いがよぎった。
まず、息子はこれまで歌ったり踊ったりすることが非常に苦手だった。
児童発達支援センターでの体操・お歌の時間などは、参加することを頑なに拒否して、真顔で直立不動だった印象が強い。
そのため、自ら歌を歌うようになったのか、成長したな…という感慨である。
次に、ただ歌詞を覚えるだけでなく、自ら好きな歌詞を使って替え歌を行っている、ということに驚いた。
しかも、かたつむりの歌だから、同じかたつむりの中で、大きい種を選んで登場させたのだろうと思われる。
実によく考えている。
仮に自分が「かたつむりの歌で替え歌、歌ってみて」と言われたら、「歩いたあと、なーんかヌメヌメだよー」等、適当に歌いそうである。恐ろしいほど何も考えていない。
あれこれと驚かされた出来事だった。
小学2年生の息子と夫の3人家族です。
息子には発達障害(自閉症)・知的障害・睡眠障害があります。
3歩歩かずとも何でも忘れがちです。
生き物とミニチュアが好きです。