【作業療法士さんが解説】鉛筆が持てないのは手先の発達?練習方法と便利グッズ紹介

ぴあっと会員の作業療法士きゃりーです。普段総合病院でお子さんのリハビリにも携わっています。
発達がゆっくりなお子さんや凹凸のあるお子さんは、手先が不器用なことが多く、日常生活や学校生活でのお困りごとについて相談されることがよくあります。
ここでは作業療法士としての知識と経験から、皆さんにお役立ち情報をお伝えできればと思います。
「鉛筆が上手に持てない」
鉛筆を持つことはなぜ難しいのか?

鉛筆は3歳前後から正しく持てるようになると言われています。
正しい鉛筆の持ち方では、親指から中指の3本指を使って持ち、薬指と小指は軽く握っておきます。薬指・小指を軽く握ることで、親指から中指を安定して動かすことができますし、握った小指を机につくことで、鉛筆のコントロールがしやすくなります。
そのためには、5本の指がバラバラに動かせることが必要であり、さらに指を動かすためには腕や手首、さらに姿勢が安定している必要があります。
また指先の力を加減できる能力が必要になってきます。指先の力が弱いと、筆圧が弱くなります。逆に指先に力が入りすぎると、手首にまで力が入り、細かい字やなめらかな字が書きづらくなります。

5本の指の動き、力の加減が十分な状態にないと、鉛筆を手の平で握るように持ったり、肘や肩の動きを使って書いたりすることになります。
鉛筆の持ち方の発達


こどもは、1歳になる頃からなぐり描きを始めます。まずは、手の平が下向きになった状態で手の平全体で鉛筆を握りしめるように持つことが多いでしょう。
次に手の平が上向きになった状態で鉛筆を握りしめて持つようになり、その後、指先の動きが発達してくると、親指~中指の3本で持つように変わっていきます。
鉛筆を手の平で持っている時には、鉛筆の操作は肩や肘など大きな関節を使うことが多いため、なぐり描きや大きな形などを描くときには問題ありませんが、小さな形や文字を書いたり、塗り絵をするときには不向きです。
鉛筆を指で持てるようになると、指や手首の動きで鉛筆を細かく動かすことができるようになり、細かい部分の書き分けができるようになります。
上手な鉛筆の持ち方とは?
ネットで検索すると、色々なページに詳しく説明されています。
以下に、学研HPの内容を紹介します。


鉛筆を正しく持つことで得られるメリットは、
- きれいな字が書けるようになる
- 字が早く書けるようになる
- 手や腕が疲れやすくなるのを防ぐ
などがあります。
上手な鉛筆の持ち方の練習方法とは?


親指と人差し指・中指を使ってビー玉やコイン、ビーズなど細かいものをつまむ遊びは、指先の運動や力加減の練習になります。
鉛筆を持つときに薬指や小指が伸びてしまったり、強く握りすぎてしまう場合には、ティッシュを丸めて薬指と小指で持つようにすると、この2本の指が安定し、親指から中指が動かしやすくなります。
運筆の練習では曲げた小指を机につけて、指の動きだけでぐるぐるうずまきを描いたり、少し細かい塗り絵を用意して指の動きで塗るようにしたりします。
お子さん一人では腕が動いてしまう場合には、手首と肘の間を少し抑えてあげることで、指や手首の運動を誘導できます。
いろいろな便利グッズ・自助具
ホームセンターの文房具コーナーや100円ショップでも、太い鉛筆や、三角鉛筆など、持ちやすく滑りにくい鉛筆がおいてありますし、鉛筆の持ち手を太くするグリップも、様々な形のものが販売されています。
特別なものでなくても、ダブルクリップを鉛筆に挟み、つまみの間に人差し指が来るように持つことで、鉛筆の持ち方が安定することがあります。
医療や福祉の現場では、「ペン玉」や「Qリング/Qグリップ」を紹介することがあります。
「ペン玉」は、玉に棒がついた形状で、玉の中心に鉛筆を通すことで握りやすくし、棒を薬指と小指で握ることでその2本が安定します。


https://www.hashizokun.com/product/pendama.html
「Qリング/Qグリップ」は、8の字の形のリングに鉛筆と親指を通すことで鉛筆を持つことを安定させたり、リングから伸びた棒を薬指と小指で握ることでさらに安定します。
引用元 :株式会社ゴムQ HP
https://www.gomuq.com/ring/index.html
https://www.gomuq.com/grip/index.html
さいごに


鉛筆の持ち方も箸の持ち方も、一般的に正しいとされる持ち方はあっても、皆さんそれぞれの持ち方をしているのが実際です。正しい持ち方にこだわるより、「書きたいものが書ける」方が大事なこともあります。
色々なグッズも活用して、楽しく書いたり描いたり塗ったりできるように、お子さんをサポートできるといいですね。


現役の作業療法士で、2児の母。
総合病院でお子さんのリハビリに携わっている。
最近体力の衰えをヒシヒシと感じている。
趣味はもの作り全般で、仕事にも活かされている。







